右京は『落ち着け!』と二人を宥めながらガシガシと銀髪を掻いた。
『お前ら、アレは人間じゃねぇの判ってる!?』
『人間だろうが無かろうが、バージが危険じゃないか!!』
『…そうか?』
寧ろ“クドラク”が心配だ。
うーむと唸る右京にアランは眼鏡をかけ直し『君の見解は?』と聞いた。
『バジリスクがバンパイアごときに殺られるとは思えない。それに彼女は優秀だ。』
そう…ウリエルの代役が出来る程に。
眼鏡の奥で鋭い光を放つ様なアランの瞳を右京が真っ直ぐ見返す。
右京の目に自信が垣間見え、ニッと口角を上げた。
『その彼女は今どこに? 』
『ちょっと使いに出してる。まぁ、伝言を頼んだだけだから、何事も無ければそう時間はかからないと思う。』
『そうか…じゃあその間に下調べと、ストリゴイの一掃をしよう。』
アランの言葉にニックとシンディは同時に『えっ!?』と不満げな顔をする。
『不服かい?…なら、やっぱりシンディを囮に…』
『そ…それは無理!』
『じゃあ、ニックに女装させるか…』
『冗談だろ…?』
そんな二人の反応にアランはピクリとこめかみを震わせた。

