『バンパイアやルー・ガルー(人狼)は基本的に群を作る。特にバンパイアの場合は簡単に数を増やせるから厄介だ。』
『なるほど。あまりのんびりとはしてられない…か…』
『なら、尚更あの男を探さないとな。』
右京の言葉にダンも頷く。
アランは腕を組ながらフラフラと室内を歩きまわる。
そして自分の回転椅子にドカッと座ると、眼鏡のを外して目頭を揉んだ。
その一連の動作はアランが悩んで居る事を表していた。
『狙われるのが女なら、シンディに囮になって貰うか…』
『えっ!?む…無理!絶対無理!』
『だよな…』
『その作戦、女なら構わないか?』
右京がそう言うとアランは一瞬驚いた様に顔を上げ、すぐに怪訝な表情で睨んだ。
『まさか、シノブを…とか言わないよな?』
『はぁ!?まさか!!忍にそんな危険な真似させねーよ!』
右京の言葉にニックが『…まさか…』と呟くと次第に蒼白になる。
『バージに…』
『駄目!あんな小さい子、一捻りだって!』
『そ…そうよ!いくらなんでもあの子に囮をなんて…!』
掴みかかるニックとシンディの勢いにさすがの右京も数歩後退る。

