クリスは右京に『ついてこい』と言うと一階の店の奥へと入って行った。
『ここに入るのは二度目だな…』
『…即ぶち抜かれないか不安だよ…』
右京がそう呟くとクリスが肩を震わせて笑った。
そこはクリスご自慢の武器庫だった。
『…また増えてないか?』
『最近物騒だからな…。』
…お前が一番物騒だ…
右京は綺麗に陳列された銃を見ながらそう思った。
『最初に言っておく。吸血鬼が厄介なのはアンデットだからだ。奴らを殺るなら頭を狙うか…』
クリスは徐にそこにあった日本刀を投げて寄越した。
『“首”を落とせ。』
『…サラッと言うな…』
『“ストリゴイ”は人の形をした化物だ。迷ったら殺られる。』
『ん~…それって俺と大差ないんじゃねぇか?』
クリスは一瞬面食らった様な顔をしたかと思うと、大口を開けて笑い出した。
…そんな面白い事言ったかな…?
『あ~悪い…。面白いヤツだな。お前はアンデットじゃない。…人間かどうかは敢えて聞かないがな。』
『ははっ…ソイツはありがたい。』
そう言ってから右京は“フェアじゃないな”と思った。

