とある堕天使のモノガタリⅢ ~ARCADIA~





『…俺の居た村は全滅だった。わかるか?“クドラク”一匹で村一つが一晩で消滅だ。』



クリスの話に皆が息を飲む。




『今回の失踪事件の被害者が“ストリゴイ”となったとすれば…“ヴコドラク”か“クドラク”が居ると言いたいのか?』



ニックの問いかけにクリスは『当然だ』と答えた。




『まず、俺達は何をすればいい?』



『被害の拡大を防ぐ事だろう。』




クリスの言葉にアランも頷く。




『仕方ない。“ストリゴイ”と化した少女らを殲滅が第一だ。』




右京は『そういえば』と先程言いそびれた事を口にした。




『昨日偶然会った男がこんな顔をしていた。自我はあった様に見えたが…』



『“ストリゴイ”の中には生前の人の皮を被ったヤツも居る。だが、それも長くは続かない。持って48時間だ。』



『その男とはどこで会った?』



『ニックと行ったクラブだよ。』




それを聞いてアランは『なるほど。』としばらく考え込んだ。




『人が集まる所なら簡単に獲物にありつけるな。』



ロイの呟きに右京も頷く。



『今夜“ストリゴイ”狩りを決行しよう。その前にクロウはクリスからレクチャーを受けるように。』



『わかった。』




とは言ったものの、果して自分にソレが必要なのか疑問だ。