飛び出してきたのは村の子供だった。
迷わず引金を引く。
灰になった子供に『アーメン』と呟いた。
それを合図に次から次へと“ストリゴイ”が飛び掛かって来た。
クリスは巧みに2丁拳銃を扱って確実に頭をぶち抜いた。
『あと3発…足りるのか…!?』
予備の弾丸を家に置いてきた事を後悔した。
『…クリス…遅かったわね…』
突然真後ろから聞こえた母親の声に振り返って銃口を向けた。
『…なんで母さんに銃を向けるの?』
クリスはブツブツ“情を挟むな。”と繰り返す。
『お前は母さんじゃない。』
『何を言ってるの?…私はあなたの母親よ?』
『母さんは“銃を向けるな”とは言わない。』
誰よりも“クルースニク”である自分を誇っていた。
─母さんなら判ってくれる。
『サヨナラ…母さん…』
クリスはその“ストリゴイ”の脳天を撃ち抜いた。
グレイは『上出来だ』と言ったきり、二度と動く事は無かった。
グレイの血で血塗れになったクリスをみて父親は思いっきり抱き締めてくれた。
『お前にばかり…!すまない…!』
『いいんだよ、父さん。俺は“クルースニク”だ。』
─こうやって生きていくしか出来ないんだ─
◇◇◇◇◇◇◇◇

