家に着くとやっと生気の戻った顔のユーリが『おかえり』と出迎えた。
『兄ちゃん聞いて!ウキョウがバージに触らせてくれるって!』
『そりゃ凄いなぁ。良かったじゃないか。』
コーディが嬉しそうにキッチンに居るミーシャの方に走って行く姿にウキョウは微笑む。
『ありがとうな、ウキョウ。』
『いや、大した事じゃないさ。
それより二日酔いはもう大丈夫か?』
『まだ少し残ってるけど、だいぶ楽になったよ。』
そうかと相槌を打ってから思い出した様にウキョウはユーリの耳に顔を寄せた。
『ミーシャは…機嫌どうだ?』
『ミーシャ?…さぁ…悪くないと思うが、何かあったのか?』
『実は昨日のさ…』
ウキョウは声を潜めて昨日の事をユーリに話した。
それを聞き終えたユーリは大きな溜め息を着いて項垂れた。
『俺マズイ事言ったか?』
『…いや、ウキョウは悪くない。まったく、困ったもんだな…』
ユーリが頭を抱える理由がイマイチ理解出来ず、ウキョウは首を傾げた。
『ミーシャには後で言い聞かせるよ。ウキョウは気にする事ない。』
『ならいいんだが…』
そう返事をするとコーディが戻って来たのに気付いてユーリは会話を終わらせた。
『さあ、昼飯を食べようか。』
ユーリに促されテーブルに着いたが、ミーシャは一度もウキョウと目を合わせなかった。

