とある堕天使のモノガタリⅢ ~ARCADIA~





『…ドキドキする…。』



『…お前は関係ないだろ…』




『そうなんだけどさ~…』




ブツブツと何かを語るニックに適当に『はいはい』と返事をしているとカーテンが開く音がして振り返った。




『お待たせしました!とてもお似合いですよ~』



店員がそう言ってバージを外へと促す。




恥ずかしそうに出て来たバージを見てニックが『wonderful…!!』と目を輝かせた。




『ん。可愛いじゃないか。』



『…ちょっと丈が短くないですか…?』




ミニスカートの裾を気にして引っ張る仕草に右京はクスクスと笑った。




『その方が動きやすいだろ?』




『でも…』と口ごもるバージに見かねた店員はレギンスを持って来てくれた。




『とても肌がお綺麗なのに』と残念そうな店員にニックも『まったくだ』と賛同したが、バージは断固としてレギンスを譲らなかった。




『なぁ、クロウ…』



『ん?』



『バージってさ…下着とかどーしてんの?』



『しらねーよ…俺に聞くなよ…』




さすがにソレを買うのは自分達には無理だ。




『…打ってつけのヤツが居るじゃないか…』



首を捻る右京にニックが口角を上げた。