やはりバージの服装は目立つらしく、すれ違う人々は必ず振り返る。
バージを挟んでニックと歩く右京は“これじゃどっちが従者か判らないな”と少し可笑しくなった。
『バージには普通にラフな服が似合うと思うんだよ。』
『そうか?清楚な感じのイメージが強すぎて想像出来ないなぁ…』
『体系がガキみたいなんだから、ショート丈のボトムなんか良くないか?』
『足出させるの!?…それはちょっと見てみたい気がする…。』
バージは興味なさそうに二人を交互に見て首を傾げる。
『…あの…なんでもいいですよ?適当で…』
『ダメ!折角なんだからお洒落してみなって!』
『オシャレ…ですか…』
この様子じゃ選ばせるのは不可能だな…。
右京は最近流行りのカジュアルウェアの専門店に入ると女店員に話し掛けた。
『“妹”に似合う服をコーディネートしてくれる?』
『は…はい、どんな感じで…?』
『どんなのでも。着せてみてよ。』
右京がそう言うと店員は『かしこまりました』と言って幾つかの服を持って戻って来た。
『バージ。着せてもらいな?』
『…はい…。』
店員に連れられてフィッティングルームに入る戸惑いがちなバージを笑顔で見送る。

