叔父の出任せのせいで如何に災難な一日だったかを忍に話す。
彼女の楽しそうな笑い声で、昨日の最悪な出来事もどうでもいいと思えるから不思議だ。
「次はいつ会えるんだろう…早く忍に会いたい…」
「もう!?まだ一週間ちょっとしか経ってないわよ?」
ごもっともだ。
『おーい、クロウ…電源タップどこだ~?』
右京は忍と話しながら寝室を指差した。
「そうなんだけどさ~」と言ったところでニックの絶叫に驚いて携帯を落としそうになる。
『ニックうるせーよ!!』
「何!?ニックの声!?」
「あ~…バジリスクの事話すの忘れてた。」
「また電話する」と言って忍との会話を終了させると寝室を覗いてみた。
『クロウが…クロウが…浮気!?…いやいや、アイツに限ってあり得ない…。でも昨日あの後、テイクアウトしちゃったって事も…』
独りバージを見ながら妄想を膨らませるニックに『ねーよッ!!』とツッコミを入れる。
『勝手に変な想像すんな!それ、バージだから!』
ベットの上にちょこんと座って目をゴシゴシと擦る少女を右京は指差した。
『…バージ?…これが?』
『そうだよ!!…バージ?起きたか?』
『…はい…。』
まだ眠そうなバージに右京は溜め息をつく。

