とある堕天使のモノガタリⅢ ~ARCADIA~





「つまり、俺が忍とどんなセックスをしてるのか…て事?」



「だってマンネリにならないって言うから、気になるじゃない!」




そう言うセリとクミに「知りたい?」と声を潜めた。



思わず身を二人は乗り出して「知りたい!」と答える。



「…想像を絶する様な“修羅場”だよ…」



「………はぁ?」



「だってコイツさ~…」



「いやああああ!駄目!それ以上言わないで!」



慌てて右京に抱き付く忍に、右京はゲラゲラと笑いながらトレイに空いたグラスを乗せた。




「まぁ、俺より忍がすげぇって事かな?」



そう言って右京はカウンターに下がって行った。




「…忍が…?」



「…えっ?意味が判らないんだけど…」



「も~ヤダ!この話やめよ~よ!」




懇願する忍を無視してセリとクミは「右京君、話の続き~」と右京を呼ぶ。




グラスビールを持って来た右京を「意味が判らないんだけど…」と拘束する。




「っんだよ…どんなんでもいいじゃねぇか!」



あまりのしつこさに右京もうんざりする。



「これ飲んでさっさと帰れ!エロガキ!」



右京はセリとクミの頭をベシベシと叩いて戻ってしまった。



結局最後まで謎は謎のまま二人は帰る事になるのだった。