「わかる?俺、ウザイらしい~」



「あはっ!可哀想ね~慰めてあげようか?」



「ん~…いや、いい。後で彼女に慰めて貰うから!」




そう言うと常連の女は「残念~!」と笑った。




「彼女に降られたらいつでも声かけてね。」




右京の顎を綺麗な指先で撫でてそう言う女に右京も笑った。




「そうやってあちこちで男引っ掛けてるって有名だぜ?」



「あら、いい男にしか声掛けないわよ?」




酔っ払って調子いい事ばかり言う彼女に半ば呆れて「ふーん」と相槌を打った。




テーブルを拭いていると耳元で「楽しそうね…」と囁かれて振り返った。




「…彼女に相手にしてもらえないから、みんなに哀れまれてんだよ…」



「そうは見えなかったわよ?…綺麗な人ね…」



「…そうか?」



右京は忍を真っ正面から見て微笑んだ。




「俺の彼女の方が何十倍もいい女だよ。」




そう言うとちょっと頬を染めて「な…ならいいんだけど!」と右京に背を向けた。



「忍、どこ行くの?」



「トイレよ!」




右京はニヤリッと笑うと「俺も行く」と言って忍の後を追った。