忍はそれにホッとしてベットにグッタリと倒れ込んだ。
荒い呼吸を繰り返す忍を正気に戻った右京がフワリと抱き締めた。
「…ごめん…またやった?」
「ん…そうみたい…でも大丈夫よ…」
すまなそうに見つめる右京を忍はギュッと抱き締めて銀髪を優しく撫でた。
「俺…また咬み付いた?…どこか傷付けた?」
「ううん、大丈夫…だけど…」
忍がそう答えたにも関わらず、右京は忍の身体を丹念にチェックし始めた。
その様子があまりにも必死で忍は可笑しくなって笑い出した。
「笑い事じゃないだろ!?」
「フフッ…だって、右京が必死なんだもん。」
「必死にもなるだろ!俺がお前に傷付けたかと思うと怖くて…」
そう言って頬を撫でる右京に忍は微笑んだ。
「お風呂…一緒に入る?」
忍は服を着ると右京の手を引いて皆が寝静まった暗い廊下に出た。
トイレの前を通り掛かった時、水を流す音に二人は慌てて階段の陰に隠れる。
「…すげぇスリリング…」
ボソッと耳元で囁いた右京に忍は吹き出しそうになるのを堪えた。
遠退く足音を聞いてバスルームまで来ると仲良くシャワーを浴びた。

