“甘い”…それは最近よく右京が口にする言葉だった。
まるで自分の身体を味わうような台詞に忍は右京を振り返った。
微かに光を増した鋭く紅い瞳が忍を捕らえる。
突然乱暴にベットに押し付けられ忍は小さく悲鳴を上げた。
自分に馬乗りになって舌を這わす右京に忍は“マズイ”と警戒する。
「う…右京!?」
グイッと腕を引かれて強引に唇を奪われる。
咬み付く様なキス。
「忍……忍…愛してるよ…凄く甘い…」
「んッ…!ぁ…待っ…!」
忍の言葉を無視して自分をまさぐる右京の手の動きに翻弄される。
忍は思いっきり右京の胸を叩くがビクともしない。
右京は忍の腕を捻り挙げ、シーツに彼女をうつ伏せに押し付けた。
「いッ…痛いよ、右京!」
そのまま忍の腰を片手で引寄せる。
「イヤ!!…右京!」
そう叫ぶ忍の口は手で塞がれ背後から犯される。
思わず身体がビクンと反応してしまい、忍は自己嫌悪する。
「忍…お前を喰い尽くしたい…」
そう言って右京は彼女の首に歯を立てて甘咬みした。
忍は不本意だったが仕方なく塞いでいる右京の指を思いっきり噛んだ。
「痛ッ…!?」
ピタリと止まった右京は忍を拘束する腕を緩めた。

