「何の話?」
「コーディだよ。あれで15って…おかしいだろ…」
「…右京に言われたくないと思うけど…」
そう言う忍を小突くと右京は笑った。
「アイツ…忍の事見なかったな…?」
「まさか…右京のせいなの!?」
ニッと笑う右京を見て忍は特大の溜め息をついて頭を抱えた。
「いざって時に無知は困るだろ?」
「純真無垢な少年が…」
忍は心の中で“どうか右京の様に色魔にはなりませんように”と願う。
「…今何考えた…」
「えっ?…別に…」
「俺みたいにならないといいな~って思ったろ?」
「そりゃ思うわよ。」
「解ってねぇなぁ~…俺はなぁ…」
右京はそれからダラダラと忍に説教をする。
…こういう所はまるで成長しないのね…
忍は適当に「はいはい」と返事をして右京の話を聞き流す。
「ちゃんと聞いてんのか?」
「聞いてる聞いてる。…あ、着いたけど飲んでく?」
忍は宿がある酒場を指差して言うと右京は「テイクアウト」と即答した。
店主からビールを受けて忍と部屋に入る。
既に真っ暗になっている室内で忍は手探りでスイッチを探した。

