とある堕天使のモノガタリⅢ ~ARCADIA~





「何の話?」



「コーディだよ。あれで15って…おかしいだろ…」



「…右京に言われたくないと思うけど…」




そう言う忍を小突くと右京は笑った。




「アイツ…忍の事見なかったな…?」



「まさか…右京のせいなの!?」




ニッと笑う右京を見て忍は特大の溜め息をついて頭を抱えた。




「いざって時に無知は困るだろ?」




「純真無垢な少年が…」



忍は心の中で“どうか右京の様に色魔にはなりませんように”と願う。




「…今何考えた…」



「えっ?…別に…」



「俺みたいにならないといいな~って思ったろ?」



「そりゃ思うわよ。」




「解ってねぇなぁ~…俺はなぁ…」



右京はそれからダラダラと忍に説教をする。



…こういう所はまるで成長しないのね…




忍は適当に「はいはい」と返事をして右京の話を聞き流す。




「ちゃんと聞いてんのか?」



「聞いてる聞いてる。…あ、着いたけど飲んでく?」



忍は宿がある酒場を指差して言うと右京は「テイクアウト」と即答した。



店主からビールを受けて忍と部屋に入る。



既に真っ暗になっている室内で忍は手探りでスイッチを探した。