とある堕天使のモノガタリⅢ ~ARCADIA~





だが、どこで止めたらいいかタイミングが掴めない。



…そして日本語で言い合っていて何を言っているのか解らない…。




「さっきだってお前期待したろ?」



「はぁ?そんなワケないじゃん…」



突然右京が忍の顎を掴んでグイッと引き寄せた。



コーディは慌てて右京を止め様と駆け寄る。




忍は負けじと右京を睨み返す。




「…そーやって俺を誘いやがって…!」



「…馬鹿じゃないの…?私がいつ…」




右京が忍の口を唇で塞ぐのを見てコーディは唖然として固まった。




「…憶えてろよ…後でどっちが万年発情期だかハッキリさせてやる…!」



「…望むところよ!返り討ちにしてやるわ!」




フンッ!と鼻を鳴らすと右京はコーディを振り返った。



『…どうした?』



『…喧嘩…終わったの?』



『“延長戦”だ。』



右京が“ベットで”と付け加えるとすかさず忍がバシッ!と銀髪をひっぱたいた。




『なんでベットなの?』



『コーディ!知らなくていいのよ!』




忍は右京からコーディを引き離すと彼の腕を掴んでさっさと歩き出した。



『いい?あんな大人になっちゃダメよ?』



『…おい、“あんな”ってなんだ…』



『黙っててよ、変態!』



『へ…変態!?』



『そうよ、あの男は“変態”よ!』



『マテマテマテ…』




ギャンギャン騒ぎながら家に戻った彼らをミーシャが出迎える。