とある堕天使のモノガタリⅢ ~ARCADIA~





その笑顔にホッとして彼女の傍にコーディは腰を下ろした。




『…あなた、もしかしてユーリの弟さん?』



『うん、お姉さん“シノブ”でしょ?』



『あら、よく判ったわね~右京の世話、ありがとうね。』



柔らかい笑みを浮かべる忍にコーディは頬を染めた。




『ウキョウが今日“シノブ”を連れてくるって言ってたから、探しに来たんだ。』



『さっき暴れてたから疲れたみたい。』



『ウキョウが?』



『うん。きっと身体が鈍ってんのね。』




そう言ってクスクスと笑う忍に釣られてコーディも笑う。




『…誰が鈍ってるって?』



『あ…起きてたの…?』



『…暴れてたのは俺じゃなくて忍だし…。』



『失礼ね!誰のせいよ!』



忍の膝枕から起き上がると右京はコーディに目を向けた。



『学校終わったのか?』



『うん!ねぇちゃんがまだ帰ってないって言うからここだと思って…』




そうかと言ってコーディの頭を撫でると右京は立ち上がって伸びをした。



右京は忍に手を差し出す。



当たり前の様にそれを握り返す忍の自然な一連の動作をコーディはポカーンと口を開けて見ていた。