春から夏に変わり、夏も終わりに近づいてきた。
もう、部活も引退して受験の準備を初めてる…。

大上とは、あれからあまり話してない…。班替えがあったせいだ。 僕の後ろに座っていた男子が班長となり、大上をとっていった…。別に大上が好きではないが、イライラした。

『岡くん!』
大上に肩をポンッと、叩かれた。
(名前は【岡 知也】だけど…【岡くん】なんて呼ばれたことないよ……。)
みんな僕をニックネームで呼んでいたから。
「【岡くん】じゃなくて、【おっかー】で良いよ!?」
『そぉ…。じゃあ、おっかーで!』
「で…何??」
『何って何???』
(いや、そっちが、話し掛けてきただろ………。)
「いや…今さっき、肩叩いたからさ…。」
『あー!特に用はないよ!』
(なんだよ!?それ??)
「あっそぅ…」
『なんてね〜!おっかーと喋りたいけんよ!』
(えっ!?まぢ!?冗談!?)
顔が紅く染まっていく…。
(何て言えば良いんだよ……。)
「あ…あ…ありがと。」
『もしかして、おっかー照れた!?』
(やばい…ばれた!?)
「ぶ…べ…別に、照れてない!」
『ふ〜ん。』
見下すように見てくる。
『照れるとか、可愛い!』
「可愛いって……そっちの方が……。」
どんどん声が小さくなっていく……。
『ん?何か言った!?』
「別に…」
(体中が熱い……。)


『カナ!』
また、あいつだ…。後ろに座っていた男子、【高瀬 みつゆき】…。
『何??高瀬くん???』
『【みつゆき】で良いってば…!ちょっと、こっちきてよ!!』
(また…会話に入ってきて…大上をもっていく…。)
『おっかー、また話そ!』
(あの二人…付き合ってるのかな…!?別に興味は無いこど…。)
離れていく、大上の後ろ姿をただ見つめていた…。


『なぁ!おっかー…みつゆきと大上って何かラブラブやない!?
』クラスメイトで部活が一緒の【石井 宏亮】が話し掛けてきた。
「そう…??つか、あの二人って付き合っとるん???」
『付き合っては無いけど、仲良いやん!!』
「そう言われたら…そやけど…。」
(なんだろ…心臓が痛くなってくる…。)
『ん!?』
「いや、何もない!!」
僕は逃げるように、その場から消えた……。