恥ずかしがり屋な君と無自覚な私



屋上のドアを開けると5月の風が吹き抜ける。


空を見上げると、雲ひとつない青空が広がっていた。


「えっと…突然だけど…好きです!付き合ってください!」


頑張って言ってくれる気持ちは嬉しいのに…。


私は橋本くんが好きで…どうしようもない…。


だから…。


「ごめんなさい…」


「っ…そっ…か…」


男の子は切なげな顔をすると私を抱きしめた。


「えっ?」


今…どうなっているのか分からない…。


すると、彼は力を緩め、顔を近づけてきた。


キス!?


私は顔をそむけ、彼を押した。

「いやっ!」


だけど、彼は放してはくれない。


「いやぁっ!」


キスは…私のファーストキスは好きな人とするの!!


だから…。


「やめて!」


私は何度も抵抗する。


「一回だけだろ?どーせ何人の人とキスしたことあるんだろ?」


さっきと口調が違う…怖い…。

「な…ないよ!放して!!」


「えっ?マジで!?ラッキー」


彼はもっと顔を近づけてくる。

「やだっ!やだってば!!」


怖い…助けて…誰か…橋本くん!!


私はギュッと目を瞑った。


ドサッ


「いてっ!」


…?…なんか…抑えられてた力がなくなったような…。


そっと目を開けると倒れている男の子。


何が起こったのか分からなくて横を見ると橋本くんがいた。


「何すんだよ!」


彼はそういいながら痛そうな顔で顔を上げた。


「嫌がる女にキスして嬉しいか?」