恥ずかしがり屋な君と無自覚な私



「うわっ!?…み…三日月?」


「ご…ごめんなさいっ!」


「いや…別にいいけど…」


うぅっ…。みっちゃんったらおもいっきり押すんだもん…。


「あのっ…おはようっ」


私は赤いかもしれない顔を下に向けておはようを言った。


「おはよう、で?冬聖はまた海道を口説いてんのか?」


「うんっまあね♪」


言い忘れてたけど、冬聖くんと橋本くんは友達というか親友みたいです。


「こりねーな」


そう言って窓側の五番目の席に座った。


ドキドキが止まらないよ…。


だけど、おはようって言えた!


「小春、ちゃんと言えたじゃん!」


「うん、言えた!」


エヘヘッと私はみっちゃんに笑顔を向けた。


…と、そこで視線を感じて廊下の方…っていうより冬聖くんの方に顔を向けると、冬聖くんが私をジッと見つめて、何かを考えていた。


どうして私を見てそんなに考えてるんだろう…。


どうしてみっちゃんを見ないんだろう…。


頭の上に『?』が沢山浮かんでまわっていた私に冬聖くんが言った。


「小春ちゃんの今の笑顔って…可愛いけど…狂気だよね…」


きょ…きょきょきょ…狂気!?


私、笑顔で誰かを傷つけてたのかな?


じゃ、みっちゃんも傷ついてる?


「みっちゃんごめんね?知らないうちに傷つけてたの気づかなくて!」


何回もみっちゃんに笑顔見せてるんだから謝らないと!


「はぁ?」


みっちゃんが顔に似合わない変な声を出す。


「あー…。小春ちゃん…そうじゃなくてね?」


冬聖くんは呆れたように頭をかかえている。


「…?」


私はどういうことなのかいまいち分からない。