「三日月、落ち着けって…もう一回ちゃんと言ってみろよ」
「えっと…。えっと…?す…好きなの、橋本くんのこと…」
言っちゃったけど…。
別に返事が聞きたいんじゃなくて、ただ気持ちを聞いてほしいから、言っちゃったのはしょうがないよね。
「俺のどこが好きなわけ?」
橋本くんの好きなところ…。
「橋本くんね、覚えてないと思うけど、私がまだ高1のときにね、橋本くんに助けてもらったことがあるの!」
あの日私は廊下を歩いていて、そしたらある先輩に呼び出されて、水ぶっかけられそうになって、そのときに橋本くんがかばってくれたんだ…。
かっこよかったなぁ。
まさに『水も滴るいい男』だよ!
「助けてもらえれば誰でもいいんじゃねーの?」
へ?
橋本くん?
「確かに、俺はお前を助けたけど、あのとき俺じゃなくてもお前は好きになってた」
違うよ、だって私どんなにかっこいい人でも一目惚れなんてしなかった。
橋本くんだけなんだよ?
「私、一目惚れしたの橋本くんだけなの、だから私はあの日橋本くんじゃなかったら一目惚れなんてしなかった」
私の気持ちを分かってほしい。
「俺のこと好きになったら大変だからな」
「そんなの分かってる、ただ私が好きなだけだもん大変なのは分かってるよ」
「噂だってできるかもしれねーんだぞ?」
「いいよ、だって橋本くんがほんとは優しいこと知ってるもん」
「はぁー…。勝手にすれば?」
やった!
「うん、勝手にする♪」