少女の問いかけには答えず、青年は微笑んだ。


 言葉もなく、ただ静かに。 ゆるやかに。


 少女はもう一度問いかけようと思った。

 が、それはあまり意味を成さないものだと直感的に悟った。

 どうしてそう思ったのか少女自身にも分からなかったが、体中の感覚がそう訴えていると言った感じだった。



 青年の腕の中の少女はそれ以上問いかけるのをあきらめ、じっと彼の瞳を見つめる。

 答えを探すかのように、じっと覗き込む。
 
 青年は見つめ返す。温かく包み込むように。
 


 二人の視線が絡み合う。

 お互いの想いを汲み取るように。



 やがて青年の心に少女の思いが流れ込んできた。
 

 幼い少女の小さな心につめられた大きすぎる寂しさ。

 孤独感が一杯で破裂しそうなのに、心の中は空虚そのもの。
 
 奥底から溢れてくるのは悲痛なまでの叫び。



―――ひとりぼっちになるのはイヤッ!!