意味がわからない。 本当に意味がわからない。 「美月ちゃん!」 学校を出ようと門まで行くと、和樹くんが女子に囲まれながら私に手を振っている。 …モテモテじゃん。 たしかに顔は良いからね。 「…何で来たの?」 「今日もバイト来るでしょ?」 「え、今日はメイドのバイトが。元々、ケーキ屋のバイトは週一だから」 その言葉で和樹くんの顔が一瞬曇った。 …子犬みたい。 女子はその顔を見て萌えている。 …はぁ、めんどくさい。