杏先輩は顔を青くしながら、地面に膝を突いた。



「杏先輩…」



私は杏先輩に近付いた。

フェンスを越え、バシンッと頬に平手打ちをした。



「…っ!!;;」



「先輩の勘違いで、親友の彰介が殺された私たちの、音々の気持ち、わかりますか?」



「…勘違い…?」



「彰介は、音々の彼氏じゃなかった。音々の一番最初に出来た親友でした…」



「え…?」



「今、生きてて感謝してますよね?死ななくて良かったでしょっ?
でも、杏先輩は知らないだろうけど、彰介は…彰介は死んだんです――っ!!」



私だって、杏先輩が憎い。

だからこそ、反省して欲しい。