私はひたすら問題を解く事に集中した。

亮英は「辰己、迎えに行って来る」と、教室へと向かう。



「わ、私も!」



気にかかり、私は亮英を追い掛けた。

どんな転校生か見たい。

私より可愛くない事を祈りながら階段を降りる。



「辰己君だよね?女の子たちが噂してたよ!」



「え…っ」



私は転校生を見て固まった。

亮英が「音々?」と、振り返って来る。



「嘘だよ…」



「おい、音々?」



「どうして…杏ーアンー先輩が居るの?」



私は走って教室内に入り、杏先輩を突き飛ばした。

ーーガンッ

杏先輩は机と共に倒れた。