僕のミューズ



……………

いよいよ合コン当日。
俺はいつもに増して気合いを入れて髪をセットした。

服は悩みに悩んだが、余り気合いを入れすぎるのもダサい気がして、いつもと変わらないものを選ぶ。
でも色々迷って、レザーのブレスだけは新調しておいた。

…だから、女子高生かっつの。

俺の気合いはいつも空回りする事が多く、今日も例にたがわず気合いを入れすぎて、待ち合わせ時間の15分前には着いてしまった。

簡単に見渡すが、勿論まだ誰も来ていない。

変なプライドで、一番乗りだと思われたくなかったから、俺は近くのコンビニに避難した。

窓際に並ぶ雑誌の前で、ジャンプをチョイスして気持ちを落ち着かせる。

久しぶりに、芹梨に会える。

それだけで、妙な痒さが心臓を襲った。

冷静に、いつも通りに。
俺は一呼吸して、ジャンプのページを捲った。


…と、デニムのポケットでバイブが揺れた。

俺ははっと気付き、携帯を取り出す。

着信は紺。
それより先にディスプレイの右上に視線が動いた。時計が示すのは、7時5分。