「あ…のさ、」 できるだけ冷静にそう言って、もう一度視線を芹梨に向けた。 「こないだのファッションショー、俺何もお礼してないから…何か、奢るよ」 高橋先輩はショーの為に作ったドレスのワンピース型をあげていた。 でも俺は、何も芹梨に対してしていない。 っていうのは口実で、もしかしたら、何とかして芹梨との繋がりを持とうとしていたのかもしれないけど。 芹梨は一瞬困った様な表情を見せたが、すぐに何か思い付いた様にスケッチブックに書き込んだ。 『じゃあ、』