僕のミューズ


その瞳は一瞬驚きの色を見せたが、すぐに少し俯いて、でもその指先で小さく、言葉を紡いだ。


『久しぶり』


指先の爪は白く輝いていて、その色で冬の訪れを悟った様な錯覚を覚える。

俺は無意識にその白さとあの日の白い世界をかぶらせてしまい、息苦しさを誤魔化す為に、芹梨の目を見て小さく呟いた。


「とりあえず、上がる?」