…ゆっくりと瞼を開けると、携帯が鳴っていた。
3回鳴るバイブ。新着メールの音だ。
携帯を見る前に窓に視線を送る。
雨は先ほどと同じ様に降り続け、止む気配を見せていない。
でも暗くなっている窓の外から、もう夜が訪れている事が見て取れた。
ぐっと体を起こし、鈍った関節の節々を伸ばす。
そうしてようやく、携帯に手を伸ばした。
メールを見る前に光っているランプの色を見て、俺は一瞬息が止まる。
それは、他でもない、芹梨からのメールの合図。
一回ゆっくりと瞬きをしてから、俺はそのメールを開いた。
『今日、会えますか』
いつもの絵文字や顔文字はない。
ただその一言が、俺の心臓を苦しめる。
俺は一瞬迷ったが、かちりとボタンを押した。
『いいけど』
自分の打った文字が酷く冷たく感じる。
そんなつもりはないのに、自分の中の戸惑いが文字になって刺激する。
少したって、返事が来た。



