紺のその言葉に、今度は本当に衝撃を隠せなかった。
俺はこくんと喉を鳴らして、まだ口を付けていない缶コーヒーを胡座をかいた自分の前に置く。
「…まさか」
「端から見てたらわかるよ。芹梨ちゃんはずっと、遥だけを見てた。今日も多分…遥の言葉、そのまま彼女に届いてる」
「じゃなきゃ、涙なんか見せないだろ」、そう言って紺は残りのミルクティーを流し込んだ。
今日の俺の言葉。
芹梨を、今の俺から追い出す、言葉。
どう思ったのだろう。
少なからず、傷つけたことは否めない。
じゃなきゃ、芹梨が人前で泣くなんて事、ありえない。
俺はどうしようもない自己嫌悪に包まれて、そのまま頭をうなだれた。
「芹梨ちゃん、泣いてた事遥には言うなって言ってた。泣いたっつっても、気付かれない様にこっそりだから、他の奴らも知らない。とりあえず、俺は遥の様子見てくるって教室抜け出しただけだから」



