…カーテンから差し込む朝日で目が覚めた。

時計を見ると、朝の6時過ぎ。そんなに眠ってはいないと思う。

俺はベッドから抜け出す前に、そっと隣の女の子の顔を見た。

メイクを落としたその素顔は、安心しきった少女の様に眠っている。
時折肩が上下をして、その呼吸を示していた。

俺は芹梨の髪を撫でようと手を伸ばす。
でも昨日の事を思い出し、それははばかられた。

無垢なその笑顔を見ていると、どうしようもない罪悪感に押しつぶされそうになる。

俺は芹梨に触れることなく、ベッドから抜け出した。


リビングに向かい、テーブルの上のスケッチブックに手を伸ばす。

それは、芹梨の為に描いたショーのドレス。

芹梨を想ったらいくらでもデザインは浮かんできた。
ぱらぱらとスケッチブックを捲る。

…まるで、小学生の落書きだ。