僕のミューズ


スタジオの暗さとは両極端の、真っ白な世界。
それは光の白さだけではない。
真っ白な薔薇が敷き詰められているから。

その白さにまず目眩を覚え、でもすぐに、その目眩とは比べられないくらいの衝撃が俺を襲った。



真っ白な薔薇の真ん中で横たわる、芹梨の姿。



薔薇の白さに負けないくらい、透き通る白さのドレス。
彼女の線の細さと女性らしい凹凸を見事に表現しているそのドレスをまとい、芹梨は仰向けに横たわっていた。

髪は緩やかなウエーブがかかっており、そのこめかみ辺りに白さとは対極の真っ赤な大きな薔薇をたたえている。

その赤い薔薇にも、白い薔薇にも、何にも負けないくらい存在感を表しているのは、他でもない、彼女自身。


芹梨は、その世界の中で、圧倒的だった。