俺は戸惑いながらも、先輩の後ろをついて行く。
先輩は何人かの人に挨拶をしながら、撮影風景が見える場所まで移動した。
「こっからなら邪魔にならずに見えるから。好きなだけ見て帰ったらいいよ」
「俺は別件で仕事あるから」、そう言って俺の肩を叩き、足早にその場を去っていく先輩。
俺はお辞儀をしながら、この広いスタジオに一人取り残された孤独感を一気に募らせていた。
幸い先輩が連れてきてくれた所はスタジオの端で、成る程誰の邪魔にもならない場所ではある。
同時に俺の事を気にする人もいなく、そっと辺りを見渡して、軽く息をついた。
もう少し壁側に移動しようと足先を壁側に向けた瞬間、俺の右頬に眩しいストロボが反射した。
思わず顔をしかめ、その光りの方を向く。
「うん、もう少し上、向ける?そう、上。オッケー、そう、そんな感じで」
カメラマンであろう大きな声が、嫌にゆっくりスタジオに響く。
ゆっくり話している理由は、言われなくてもわかった。
口元を読んでもらうため。
という事は、必然的にモデルは。
俺はゆっくりとカメラの向かう先に視線を向ける。



