「遥が彼女に話してくれたんだろ?やりたいならやったらって。彼女、やっぱ素質あるわ。お陰で俺の先輩のブランドも幸先いいスタート切れそう」
そういえば、芹梨の仕事は先輩の会社の新ブランド関連だった。
詳しくは知らないけど、イメージモデルを務めるらしい。
「どんな、感じですか」
俺は恐る恐る聞いた。
ビルに向かう階段を上がりながら、先輩は「うん、」と頷いて話し始めた。
「詳しくは聞いてない?一応今はどの事務所にも所属しないで、新ブランドのイメージモデルとして撮影に参加してもらってるんだ。カタログ撮影とか、広告撮影とか」
「今日は広告撮影の日だったと思うけど」、そう言って先輩は、大きなビルの回転扉に進む。
俺は遅れないようにその回転に入り、スタジオのあるビルへ足を踏み入れた。
「雑誌でいう読者モデルみたいな存在かな。雑誌からデビューするわけじゃないから少し違うとは思うけど。多分このブランドがデビューしたら、色んな事務所から声がかかると思うんだ。そこから彼女の条件に合う事務所を選べばいい。彼女が選べる立場に立つための、今回の仕事だって思ってって伝えてある」



