僕のミューズ


芹梨の強さ。
わかっていた。芹梨が、誰よりも強いことだって。


でも、どこかで俺は、そんな芹梨見たくないと呟いている。


強くなくていい。
一人で強くなんてなるな。


…弱くていいから、ずっと側にいて。


そんな俺を悟られたくなくて、俺は芹梨を力強く抱きしめた。

抱きしめている間は、芹梨の表情を見なくてすむ。
俺の本当の気持ちも、見られなくてすむから。


少し離れた芹梨は、『頑張るね』と小さな笑顔で手話をした。


俺は思わずその手を握りしめて、芹梨に深く口づけた。