『駄目だった』
その手話の意味を、俺は最初読み間違えたかと思った。
呆然と芹梨の前に座ったままの俺に、芹梨は自分の手にしていた紙を差し出す。
俺はためらいながらもそれを受け取り、内容を見た。
細かいことはよくわからなかったが、その中の文字、『残念ながら』『ご縁がなかった』という文字は、就活中なんどか見たことのあるものだった。
俺はそれを芹梨がしたように閉じ、「そっか」と小さく呟く。
すっと体の芯が冷えていくのがわかった。
俺はどこかで、芹梨が落ちる訳がないと思っていた。
どこの誰が見ても綺麗でスタイルもよく、オーラも兼ね備えている芹梨。
あのショーで見せたそのランウェイは圧巻で、芹梨を落とした奴らに見せてやりたいとも思った。
と同時に、頭のどこかをかすめていた事。
今まさにそれを考えていた所を、芹梨は見抜いた様に言った。



