僕のミューズ


あかりは目に涙をためたまま、下唇をかんで俯いた。

何か言うべき言葉があったのかもしれない。
でも、今の俺には何も言えない。


伝えたかった事は、さっき全部伝えたから。


俺はそのまま何も言わず、控え室を飛び出した。

廊下を走りながら、想う人は一人しかいない。

伝えたい事。

例え耳に届かなくとも、大きな声で。



向かう場所は、会いたい人は、もうわかっていた。