僕のミューズ


正直、ドレスの出来映えは似たり寄ったりだったが、モデルとしてのあかりは贔屓目なくどこよりも完璧だった。


「…かっこいいじゃん」


ふっと笑い、思わず呟いてしまう。

芹梨と出会う前、あかりをモデルに選んだことは、少なくとも間違いではなかったんだと、今日初めて思った。

まだショーの続く中俺は立ち上がり、体育館を後にする。

俺は真っ直ぐに、今日まだ一度も顔を出していない楽屋へと向かった。



…楽屋は人でごったがえしていた。

無理もない。まだショーも中盤。終わったグループと今からのグループがひっきりなしに出入りしている。

俺はその中から知った顔を見つけ、肩を叩いた。

「お疲れ」
「あ、遥先輩!お疲れ様っす!」

「来てくれてたんですね」と笑顔で話す後輩の表情は、充実感が見て取れた。

俺も笑顔で「よかったよ」と誉め、視線を動かしながら聞く。

「あかりは?」
「着替えです。三階のB教室借りてるんで」
「そ。わかった」

俺はもう一度後輩の肩を労いの意も込めて叩き、三階の教室へと向かった。