僕のミューズ


ふと体育館の照明が変わり、音楽も変わった。
リハーサルで何度か聞いた音楽。

後輩たちのグループだ。

前の子のランウェイが終わり、舞台の裾から見覚えのあるオレンジ色のドレスが出てくる。

俺は少し前のめりになって、ランウェイを見守った。


そこでは、あの日見ることができなかったモデル姿のあかりが、堂々とランウェイを歩いていた。


リハーサルではしっかりとしたヘアメイクは施していなかったが、今日は細部まできっちりと綺麗にしている。

少し濃い目のメイクは目鼻立ちのくっきりしているあかりによく似合い、歩く度に揺れるきつく巻いた髪はどこかの外国の少女の様だった。

練習通りミスなく歩き、プロのモデル顔負けのポーズを取る。
その視線は真っ直ぐ前を向いていて、端に座る俺と目が合うことはなかった。

ランウェイを歩ききり、最後に茶色の髪が裾に消えるまでをしっかりと見届ける。