僕のミューズ



……………

「シャワー浴びたら」

バスタオルとシャツを渡して、あかりにそう言った。
走ったせいで足は泥水まみれだったので、拭くだけではどうしようもなくなっている。

あかりは素直に受け取り、「借りるね」と言って洗面所に入って行った。

一連の流れに違和感がないのは、過去に俺達が恋人同士という関係だったからか。

シャワーの音が聞こえ始めて、俺は自分の服を着替えた。


あかりとは、半年も付き合っていないと思う。

『思う』と言ったのは、明確に付き合いだしたのがいつかがわからなかったから。

簡単に言えば、俺達は先に体の関係になった。

それから次第に、彼氏彼女という関係に移って行ったのだ。

バスタオルで髪を無造作に拭き、そのままベッドにダイブする。

露出があかりより少なかったからか、俺の汚れは全部チノパンが受け止めてくれていた。


天井を眺めながら、あかりのシャワーの音を聞く。