漆黒の姫君



_後で、ってどういう事なの?


そんな事に考えを巡らしていたら愛里の足にいきなり風が当たった。


「!?」


靴下を脱がされていたのだ。なんという早業、と褒めたいような早さだった。





男は愛里の素足を長く細い指でスルリと触る。細くもがっしりとした男の手に愛里は自分の意志と関係なくドキドキしてしまう。





「ああ、こんなに赤く腫らして……城に帰ったらすぐに薬を用意させましょう。」




_…こんな人を”王子様”って言うんだろうな。




………ん?