漆黒の姫君



「愛里様、どうなされたのですか?」




男が心配そうに愛里の様子を伺う。






_どうもしてないけど!こんな綺麗な人、初めて見た…。なんか綺麗過ぎて彫刻とかの美術品みたい……って、


「…なんで、私の名前を知っているんですか。」


_私は自己紹介した覚えもないし、今名前が分かるようなものは持ってないし。どうしてこの人は私を知っているようなの?





「後で、お教えいたします。」



ニコリと微笑まれてしまって、愛里はこれ以上聞けなかった。