「おや、お怪我をなされているのですか?」 声をかけた男が愛里の患部を見ようとしゃがみ込む。 そして男の顔が露わになる。 「…っ!!」 愛里はその男の顔に息を飲んだ。 ”美しい” 美形と言う言葉はこの人のためにあるようなものだと言っても過言ではない位、美しい。 金色の髪は太陽の光を浴びてキラキラと輝き、薄桃色の形のいい唇は優しい笑みを浮かべている。 目は空のように澄んでいて、その空色の瞳に愛里は捕らわれてしまった。