『櫻井結愛ちゃんだよね?』 「あの…?」 だ、誰? 鮮やかな金髪が視界で揺れる。 私、何かしちゃったかな? 結構目立たずに生きてきたんだけどな。 顔をあげてもう一度金髪の人を見てみれば、金髪の後ろから漆黒の髪の人が出てきた。 あれ、この人って。 あのときの―――… 目が合った瞬間、その人に手を掴まれて。 廊下の痛いくらいの視線を感じながら、どこかに向かって走りだす彼。 手に心臓があるみたいにドキドキするのは、気のせいなんかじゃないんだと思う。