遠くから、潤悟の声がきこえる。




『行くな!って。』




息を切らしながら、潤悟が隣に並んだ。





『あたしは……』





『田崎を選んだ。』




潤悟がこたえる。





『………別れよう。』





『田崎のことが、好きだからか?それなら、前にも…』





『違うよ。あたしねぇ……』




駅に到着した電車に乗り込み、




『ごめん…お見合いで知り合った人と、結婚を前提に付き合うことになったから。さようなら。』