[風雅side]



あの日から一ヶ月、優衣はまだ眠っている。



「優衣…。」



優衣の手をずっと握っていると、



「風雅。」



戒が病室に入り、話しかけてきた。



「お前、ずっと食わず寝ずで大丈夫か?優衣が心配なのは分かる…。けど、自分のことも考えろ。」



「………。」



戒の言うことは十分理解してる…。



でも、優衣が目覚めたときに一番に傍にいてやりてぇんだ………。



何も言えずにいると、



「全員お前を心配してんだ。限界がきたら言え…。」


そう言って戒は出ていった。



戒…ありがとな…。



………最近、あいつらには感謝の言葉しかでねぇ…。最高の仲間だ…。



そう思ってまた優衣に視線をむけた。



「優衣…頼むから目…開けてくれ…。」



俺の声は静かな病室に響いた。



優衣…優衣…。



優衣の名前を言っていると、



ピクッ



「…っ!?」



握っていた優衣の手が動いた。