「あ…わた…し…。」



「何があった?」



「分からない…急に頭に激痛が走って…。何かが頭の中で聞こえた…。それに赤い血…。」



いきなりのことで私は混乱していた。



「お前、もしかして記憶が…?」



風雅の言葉に私は思った。


まさか…記憶が…?



もしかして…あれが私が思い出さないほうがいい記憶…?



私…早く記憶を取り戻したいって思ってた……。



でも……今は………?



私…矛盾してるのかな…。



「ハハッ…。」



私はみんなに聞こえないような、掠れた笑い声を出した。