病院?
そっか、莉子は病気だったんだっけ…
それは嘘かもしれないし、本当かもしれない。
莉子がそう言うのなら本当なのかな。
でもこんなにも元気なのにどこが悪いのだろう。
「そうなんだ。それ以上は聞かないよ。莉子が辛い思いをするなら僕は聞かないから」
こう言うと莉子は「ありがとう」と笑ってみせた。
そんなとき、ポケットの携帯が震えだした。
一瞬蓮からかと思ったが、相手は花音からだった。
その時、ポケットからひらひらと落ちていく銀色の折り紙。
それは昨日母さんの部屋から見つけたものだった。
それに気づかず僕は花音の電話に耳を澄ます。
『今日蓮来てる?』
「来てない…よ。花音は学校に来れた?」
ちらりと後ろを見るとやはり蓮の席は空席だった。
『学校は来たよ。そっか蓮は来てないか…何回電話やメールしても繋がらないんだよね。もうダメかな…』
電話の向こう側の花音の声は弱々しかった。
心配になった僕は花音のクラスに向かおうとした時、莉子が僕の制服を引っ張った。


