この世界は残酷なほど美しい



すると爺ちゃんは足を止めて、優しい笑顔で僕を包んだ。



「今見ろとは言っていない。流星の中がちょっとでも変わった時に見なさい。そして見たあと、父さんのことを少しだけ許して欲しい。じゃあおやすみ」




最後にこう言って爺ちゃんは自分の寝室に向かった。
写真集を見ると僕は何も考えられなかった。
何だ?この脱力感。

写真集のせいかな?

肩を下ろしていると婆ちゃんが隣に座ってきた。
そして肩を抱き寄せる。



「流星は寂しかったのよね。お母さんに一番遊んで欲しい時期にいなくなっちゃったから。でもね、流星?」




「ん?」



僕は婆ちゃんの方を見る。
婆ちゃんは穏やかな瞳で僕を見ていた。
そしてゆっくりと口を動かす。



「寂しかったのは流星だけじゃないのよ?」




「えっ……」




ねぇ、その意味は?




「さぁ、流星はお風呂に入ってきなさい。寝る場所はいつもの部屋ね。風邪引かないようにするのよ。せっかく来たんだしゆっくりしなさいね」




婆ちゃんは僕の肩を叩いて「おやすみ」と最後に言い寝室に向かって行った。