インターホンを押すとそこから婆ちゃんの声が聞こえてきた。
「はい、どちら様?」
「僕、流星。」
「あら、流星。今開けるわね」
婆ちゃんはそう言い、玄関を開けた。
笑顔で僕を迎い入れた婆ちゃんは頭を撫でて「よく来たわね」と言う。
相変わらず可愛らしい笑顔の婆ちゃんを見てどこかホッとした。
靴を脱ぎ、リビングに向かうと爺ちゃんがテレビを観ながら晩酌をしていた。
少し背中の曲がった爺ちゃんに声をかける。
「爺ちゃん、久しぶり。今日泊まらせてもらっていいかな?」
「おぉ、流星か。こっちに来て座りなさい」
爺ちゃんに言われたように僕は爺ちゃんと向き合ってソファーに座った。
爺ちゃんの家の匂いが好きだった。
実家に帰ってきたそんな気分。そう思ったらどこか笑えてきた。
「最近はどうだ?楽しいか?もうすぐ高校も卒業だな」
「うん。まぁまぁ楽しいよ。T大の天文学部、合格率B判定だった。」
「そうか、すごいじゃないか。…流星、雅とはうまくいってるのか?」


