この世界は残酷なほど美しい



もし…もしだけど…、
この先母さんの星が見つかったなら、僕は何と言えばいいのかな。
まだ自分に自信がないよ。


今日蓮に言われた言葉や、奈緒子の言葉、そして莉子の言葉が全身を掻き乱す。

僕が僕では無くなっていく気がして怖い。

まだ知らない感情が僕をおかしくさせていく。
それをどうやって阻止したらいいのか分からない。

怖いよ、助けて。



僕は人を好きになったりしない…と思っていた。



染められた黒色に光るのは屈託のない星たちだった。
僕は脇役の夜空にはなりたくなかった。
どうせ生まれ変わるのならあの光る星がいい。

きっと母さんは誰よりも輝いていたから…僕は簡単に見つけられると思ってたんだ。




しばらく星を見てから僕は爺ちゃんの家に向かった。
ここから数十分の距離でも満月は僕の後をついてくる。
心配性なんだね、キミは。
ありがとう、照らしてくれて。